俳優陣が素晴らしい映画「ユリゴコロ」レビュー

邦画とは珍しいね。

Netflixに勧められたもので…。
最近「私の男」や「怒り」も配信開始しましたね。邦画にも力を入れ始めたのかな?

洋画か韓国映画か海外ドラマしか観ないわたしに、しつこくこの映画を勧めてきたので、そんなに言うなら…と観てみました。

作品概要

ユリゴコロ

制作:日本、2017年
監督:熊澤 尚人(日本、1967~) 
脚本:熊澤 尚人
撮影:今村 圭佑(日本、1988~)
メモ:『彼女がその名を知らない鳥たち』作者の沼田まほかるの代表作を映画化。1冊のノートに秘められた重大な秘密とは…。

あらすじ

森でカフェを営む亮介の日常はある日突然崩れ去った。男手ひとつで育ててくれた父が余命わずかと診断され、結婚を控えていた千絵は忽然と姿を消してしまったのだ。落ち込む亮介は、実家の押し入れで1冊のノートと巡り会う。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートの内容は、美紗子と名乗る女の手記。人を殺めることでしか世界と繋がることができない女性の衝撃的な告白だった。手記を読み進めるうち、次第にその物語が創作だとは思えなくなる亮介。なぜ自分はこれほどまでにこの手記に惹かれるのか…。
そんなある日、千絵のかつての同僚だったという細谷が、千絵からの伝言を伝えに亮介の前に現れた。

映画『ユリゴコロ』予告編

登場人物

亮介(松坂 桃李)
森でカフェを営む青年。普段は穏やかな普通の青年だが、ふいに危険な行動に出ることがある。開店準備から手伝ってくれた千絵と交際し結婚を決めていたが、ある日千絵が失踪したことをきっかけにひどく落ち込む。病気の父を見舞いに実家に帰った際、父の部屋で1冊の古いノートを見つけ、その内容に強く惹かれる自分に不安を抱く。

美沙子(吉高 由里子)
亮介が見つけたノートに手記を残した女性。幼い頃から外界に強い不安を抱いており抑圧されているが、死を感じるときだけ強い感情を抱く。

洋介(松山 ケンイチ)
美沙子の手記に登場する男性。ある事件をきっかけに心に深い傷を負い、幸せになってはいけないと思い込んでいる。娼婦となった美沙子と街で知り合い、次第に心を通わせていく。

千絵(清野 菜名)
亮介の恋人。明るく朗らかな女性だが、体調不良で欠勤した日に失踪してしまう。

失速するストーリーをカバーする役者陣の好演に拍手!

この映画の原作は、2011年に発表された沼田まほかるさんの同名小説です。
正直この方の名前は知らなかったんだけど、『彼女がその名を知らない鳥たち』の作者だと知っておぉ!とちょっと期待度が上がりました。

といっても、まだ『彼女が~』の映画は観てないんですけど…。蒼井優と阿部サダヲが共演するって聞いて調べたら、内容もなかなか強烈そうだったんで、そのうち観ようと思ってたんですよ。近いうちに観ますよ!
ちなみに『彼女が~』が発表されたのは2006年。『ユリゴコロ』が第14回大藪春彦賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされたことから、過去作にも注目が集まっているとのことです。

で、映画の感想は?


はい、そうでした。

吉高由里子が美しき殺人鬼を演じる!しかもちょっとエロス!みたいな宣伝をしていたのが、記憶の片隅に残っておりました。
ストーリーに関係のない宣伝をしているミステリやサスペンスで面白かった例がないんだよな…と不安がよぎる。

で、見事的中。特にエロスでもないし。

全体的に面白くないわけではなく、時速60㎞からみるみる失速して停車したって感じ。
冒頭から「この監督は何か勘違いしている」という感覚があったんだけど、物語が進むにつれて「この監督にはミステリを撮る技量がなかったんだ」という確信に変わりました。

特に失速の度合いがひどくなるのは、松山ケンイチが登場してから。キーパーソンのはずなのに(笑)

彼の顔を見れば、はいはいなるほどねとこの後の展開が完全に読めます。なので、こちらとしてはとっとと話を進めてほしい。美沙子の朗読を聞き続けるのも飽きてきてるし。
それなのに、「泣けるでしょ」「切ないでしょ」と言わんばかりの鈍重な音楽が流れ続ける。はいはい…もう分かってるから…先に進ん…と意識を失いかけるくらい展開がノロい。

え、美沙子パートと亮介パートが交わる部分がクライマックスではないの?


うん、わたしもそこにカタルシスがあるはずと思うんですけども、その何十分も前からダラダラとお涙頂戴シーンを流し続けるんですよ。

監督はどういう神経してるんだろう…。めちゃくちゃ眠かった。

やっとそこから抜け出したと思ったら、亮介の変化はめちゃくちゃ雑に描かれている。というか亮介の雑さは冒頭からなんだけど、ラストは本当にひどい。
そして「死が心の拠り所」だったはずがただの「平気で人を殺す人」になり、ただの「平気で人を殺す人」のはずが「腕利きの殺人マシン」になっている。

熊澤さんよぉ…冗談は血の使い方だけにしてよ…

この人他にどんな映画撮ってるんだろうと調べてみたら、『近キョリ恋愛』『ジンクス!!!』など、青春スイーツ映画ばっかりでした。あぁそうですか…あの血の使い方は中二病向けかな…。

ということで、ストーリーテリングで褒めるところはありません
原作は読んでないので誰の責任かは分からないけど、さすがに映画ほどひどくはないでしょう。

そんなに面白くないのか…。みどころはないの?


いえ、みどころはあります!
この映画、俳優陣の熱演で価値を保っているようなものです。

特に驚いたのは、美沙子が調理学校で出会うみつ子を演じる佐津川愛美さん。
「ヒメアノ~ル」での可愛い役の印象が強かったんで、ベリーショートで目の下真っ黒なみつ子が佐津川さんだとは超驚きでした。迫真の演技を見せています!

あとは、やっぱり吉高由里子は女優なんだなぁと再確認しましたね~。
ラストの松坂桃李も鬼気迫る演技をしていました。セリフが頓珍漢すぎて可哀想。

ということで、俳優陣の熱演だけは見る価値あります。

まとめ

内容はただの中二病映画という印象だけど、早めに登場する佐津川さんだけでもチェックしてね!

ちなみに「ヒメアノ~ル」はストーリーも役者さんも最高!

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