映画「ドント・ブリーズ」あらすじ&感想

気になってはいたけど放置していたこの映画。
たまたま友人が見たいと言い出したので、一緒に見ました。

作品情報

ドント・ブリーズ
(原題:Don’t Breathe)

制作:米国、2016年
監督:Fede Álvarez(ウルグアイ、1978~)
脚本:Fede Álvarez, Rodo Sayagues
メモ:強盗3人が忍び込んだ家の主は、老いぼれの盲目の男。のはずだったのに…!

あらすじ

米国デトロイト。退廃した街で、不良少女ロッキー、彼氏のマネー、友人アレックスの3人は空き巣を繰り返して金を得ていた。ロッキーは幼い妹を良い環境に連れて行くために金を必要としていたが、街を脱出する目途はなかなか立たない。そんなある日、マネーが大金が手に入る話を持ち掛けてくる。周囲に人の気配がない一軒の家に住む盲目の老人が、娘の死亡事故の示談金として大金を受け取り、家のどこかに保管しているというのだ。
家主が家にいるときに押し入るのは強盗であり、空き巣とは罪の重さが全く違う。しかし、この金さえ手に入れば、足を洗って妹と新天地に行ける。ロッキーは嫌がるアレックスを説得し、3人で強盗に入ることにする。なんとか家に侵入し、老人を催眠ガスで眠らせ、金を探し始める3人。厳重に施錠された部屋の鍵を銃で壊そうとして大きな音を立てたとき、眠っているはずの老人が現れ―

映画 『ドント・ブリーズ』 予告

登場人物

ロッキー(Jane Levy)
マネー、アレックスと共に空き巣をしながら暮らしている少女。母はアルコール依存で育児放棄しており、幼い妹を連れて街を出ることを夢見ている。

アレックス(Dylan Minnette)
ロッキーに思いを寄せる少年。セキュリティ会社に勤める父親が持っているクライアント宅の合鍵を使って、空き巣に利用している。なるべく軽い罪で済むように考えており、強盗で現金を奪うことには反対する。

マネー(Daniel Zovatto)
ロッキーの彼氏。空き巣に入った家で物を壊したり放尿したりと、犯罪を楽しむような粗野で下劣な男。老人宅に侵入する際には銃を所持しており、起きてきた老人に対して銃を向けてしまう。

盲目の老人/ノーマン・ノードストーム(Stephen Lang)
番犬と暮らす老人。イラク戦争で手榴弾を受けて全盲となった。さらには娘が交通事故で死亡してしまうが、加害者の女性が金持ちだったために多額の示談金で済まされてしまう。家に侵入した3人を驚異的な身体能力で追い詰めていく。

感情移入はしにくいけど、ドキドキハラハラがたっぷり堪能できる良作

状況からして、勧善懲悪イコライザー的映画だろうと予想していました。
が、その予想はすっかり裏切られましたね~!

予想していたよりもホラー要素が強い。おじいちゃんが怖い。

まず、バカ3人がおじいちゃん宅に侵入するときから、ホラーの香りが漂い始めます。

というのもこの家、完全に孤立状態なんです。
周囲の家は空き家ばかりで、警察がパトロールに来ることもない。だからこそ3人はうまくいくと踏んで強盗に入るわけですが…。
侵入するのはもちろん夜ということで、日中には感じられなかったドンヨリ感が強まります。

家に入ったら入ったで余計に怖い。
なんというか、邦画「黒い家」に近い“生々しいヘンな感じ”がする。こういうことを言うのは憚られますが、家主が盲目であるからこそのチグハグがあるんですよね。
冒頭で3人が空き巣に入った金持ちの家、白を基調とした明るくて整った家とは、明らかに性質がちがう。入ってはいけない家に入ってしまった…というのがムンムンに伝わってきました。


そしてこのホラームードを決定づけるのは、被害者となるおじいちゃんです。
戦争で盲目になったうえ、最愛の娘を失ったのに加害者は裁かれない。犬と共に寂れた街でひっそりと暮らす。
同情するしかないこのおじいちゃん、家と同様、もはやこの世に生きていないというのが一目見るだけで分かります。

この人がマッコールになるとは思えないんですけど!!!

バカ3人を正しい老人が懲らしめるという展開を期待していたわたしは、バカ3人と共に動揺し始めるのでした(笑)

感情移入は難しい?(ネタばれあり)

バカ3人に感情移入するのは無理だし、まぁ怖いといってもおじいちゃんは強盗の被害者になるわけだし…。

と、なんとか理性に頼っておじいちゃんの正当防衛を見届けようと決めるわけですが。

ロッキーとアレックスは金を見つけ、外に繋がる出入り口のある地下室に向かう。そこで2人が発見したのは、クッションに覆われた一画に捕らわれたひとりの女性。彼女は、老人の娘を事故死させた加害者だった。彼女の拘束具を外し共に逃げようとするロッキーとアレックスであったが、出入り口の外には既に老人が待ち構えており、銃撃されてしまう。老人は、銃撃で女性が死んだことに叫喚し、真っ暗な地下室でロッキーとアレックスに襲い掛かる。
必死に逃げ回るロッキーであったが、遂に老人に捕らえられ、加害者女性と同じように拘束される。そこで老人は、凍結保存した自分の精液を使って女性を妊娠させていたことを告白。女性を死なせたロッキーにも同じことをしようとする。

なんと恐ろしい復讐なんでしょう…。
凍結した精液をふつうに解凍してスポイトで注入しても、妊娠する確率はすっごく低いと思うんですが。おじいちゃん盲目だし医療従事者じゃないし、どうやって妊娠を確認したんだろう。
なんてことを考えると、おじいちゃんが完全に狂気の世界にいることが分かります。怖えぇ…。

ここまで来ると、「おじいちゃんは被害者であり、攻撃は正当防衛である」という理性しか拠り所がなくなってしまう。
可哀想ではあるけど、言ってしまえばドン引きしてしまったというか(苦笑)

このへんからロッキー頑張れ!となる人もいるかもしれませんが、そもそもコイツは人様のお金を奪って生きてきたクズ、初犯ではなくプロの犯罪者なので、おじいちゃんに何をされても自業自得だし。
妹が~とか言って同情を求められてもね…。

感情的に深みに行けず宙ぶらりんになってしまったので、最後のほうはドキドキハラハラのみを楽しむしかないという珍しい状況に陥りました。
仕掛けや伏線がしっかり楽しく回収されるので、最後まで退屈することなくワクワクできました。よかったー(笑)

こうして振り返ってみると、見る人それぞれの倫理観や善悪の線引きが浮き彫りになる映画なのかもしれません。
全員がゲスという閉鎖空間で何を感じるか、観た人同士で話してみると楽しいかも?

まとめ

感情移入しきれないクズどもの映画であったにも関わらず、ホラーとスリラーの作り込みが秀逸なので満足度が高かったです。

ぜひ、部屋を真っ暗にして鑑賞してください!

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街を出るための資金が必要なロッキーは、恋人マニー、友人アレックスと共に、大金を持っているといううわさの目の見えない老人の家に忍び込む。だが、老人(スティーヴン・ラング)は、驚異的な聴覚を武器に彼らを追い詰める。明かりを消され屋敷に閉じ込められた若者たちは、息を殺して脱出を図るが……。
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街を出るための資金が必要なロッキーは、恋人マニー、友人アレックスと共に、大金を持っているといううわさの目の見えない老人の家に忍び込む。だが、老人(スティーヴン・ラング)は、驚異的な聴覚を武器に彼らを追い詰める。明かりを消され屋敷に閉じ込められた若者たちは、息を殺して脱出を図るが……。

ちょっとした話

本作の脚本をサム・ライミに持ち込み、見事な映画を作り上げたフェデ・アルバレス監督。
監督した長編映画は本作含めて3本だけですが、どれも話題作になっています。

生々しい恐怖を描くのがお得意というアルバレス監督には、今後も注目です!

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