パク・チャヌク「イノセントガーデン」感想&ネタバレ

いやはや、退職に手こずって気分の悪い日が続いておりました。
そんなときこそフィクション!

作品情報

イノセント・ガーデン(原題:STOKER)

制作:米国・英国、2013年
監督:박찬욱(パク・チャヌク)(韓国、1963〜)
脚本:Wentworth Miller(英国、1972〜)
メモ:韓国の異才パク・チャヌクのハリウッドデビュー作。脚本は、「プリズン・ブレイク」で活躍のあの俳優!

あらすじ

インディア・ストーカーは、18歳の誕生日に大好きな父を失った。母イヴリンと2人になった家に、父の弟チャーリーがしばらく滞在することになる。
父の死の直後であるにも関わらず、魅力的なチャーリーに色目をつかい始める母に嫌悪感を抱きつつも、インディア自身もチャーリーに惹かれ始める。一方、チャーリーが現れたときから、インディアの周囲の人間が姿を消していて…

映画『イノセント・ガーデン』予告編

登場人物

インディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ、Mia Wasikowska)
18歳の高校生。感覚が異常に鋭い。物静かでとっつきにくいため学校では浮いており、男子生徒から度々嫌がらせを受けている。母とは反りが合わないが、父とは仲が良く、家の広大な庭でいっしょに狩りを楽しんでいた。

イヴリン・ストーカー(ニコール・キッドマン、Nicole Kidman)
インディアの母。良くも悪くも自分の感情に正直で、インディアとは正反対のタイプ。女性であることを謳歌しており、夫の死後に現れたチャールズにすぐに好意をもち始める。

チャールズ・ストーカー(マシュー・グード、Matthew Goode)
インディアの父リチャードの弟で、ハンサムで親切な青年。葬式に突然現れ、しばらく居候することになる。それまでは世界中を旅していたという。何かとインディアに接近しようとする。

リチャード・ストーカー(ダーモット・マローニー、Dermot Mulroney)
インディアの父。普通とちがうインディアを気にかけ、よく面倒を見ていた。インディアの18歳の誕生日に、交通事故で死亡してしまう。


美しくも恐ろしい叔父の登場、開花するインディアの性と才能…エロス満点のおとぎ話!

パク・チャヌク監督の作品は「親切なクムジャさん」を見たことがある。
印象的だったのは、人の生活圏は暗い一方、自然は明るく開放的に描かれていること。

本作も、ストーカー家の邸宅と広大な庭が対照的。主要な登場人物3名の美しさも相まって、本当に綺麗でおとぎ話のような映画でした!

印象的な脚本に吹き込まれたメタファーたっぷりの世界

本作の脚本は、「プリズン・ブレイク」で活躍の俳優ウェントワース・ミラー。
彼が名前を隠して発表したこの脚本は、2010年のブラックリスト(映画製作に至っていない脚本のランキング)で5位にランクイン。パク・チャヌク監督で映画化されることになったそう。

パク監督は、「余白の多い脚本で、監督の発想力を発揮する余地が多くあった」と話しています。
この言葉どおり、インディアのスカートの中に入り込む蜘蛛や、インディアに贈られるハイヒールなど、多様なメタファーがたっぷりと盛り込まれています。

パク監督は、台詞よりも映像で語るタイプの監督。
この映画も台詞は少ない(そもそも主人公のインディアが無口)ので、そのぶん映像や音がとっても印象的。ガヤガヤしていないおかげで、非現実的なおとぎ話のような世界観が完成しています。

キャストの美しさも素晴らしく、こんなに綺麗な映画は見たことないな〜とうっとりしてしまいました!

悪の血筋に目覚めるインディア、目覚めさせるチャーリーがエロすぎるぅぅ!

かなり早い段階で、チャーリーは本性を現します。
簡単にいえば、邪魔者は即座に始末するというサイコパス。長年ストーカー家に尽くしてきたお手伝いさんも、母娘に警告に来たおばさまも、何のためらいもなく即行で殺害。

彼の興味の対象はただひとり、インディアなのです。

母とチャーリーに嫌悪感を隠せないインディア。しかし、何かと自分に接近してくるチャーリーが気になって仕方なくもあった。さらに、行方不明の家政婦の遺体を発見し、彼が殺人者であることに気付く。
ある夜インディアは、母とチャーリーの親密な様子を目撃し、衝動にまかせてクラスメイトの男子ホイップを誘いに行く。森の中でセックスしようとするも嫌になって拒んだインディアは、怒ったホイップにレイプされそうになる。突如としてその場に現れたチャーリー。チャーリーは、自身の兄でありインディアの父であるリチャードのベルトで、インディアに馬乗りになったホイップの首を締めて殺害する。インディアは、ホイップが息絶える様を下から見ていた。
インディアとチャーリーは、ホイップの死体を庭に埋める。そしてインディアは、シャワー室でホイップの死に様を思い出しながらマスターベーションをし、性と本能に目覚めた–

この後、インディアは戸惑いながらもチャーリーと罪を共有し、急速に接近していきます。
ふたりがピアノの連弾をするシーンは、監督の意図したとおりまさしくセックスシーン!普通のセックスシーンよりもよっぽど官能的で、わわわわー!となってしまった(笑)

で、チャーリーが姪のインディアに固執するのは何故?って話ですが、理由はふたりの外見を見比べるとすぐ分かります。
同じ髪の色、同じ目の色…そう、ふたりは同類なのです。

実はチャーリーは、幼少時に大好きな兄を独り占めするために弟を殺害したことで、ずっと精神病院に入院していた。彼も異常に鋭い感覚をもち、同じ性質をもつ“仲間”のインディアに固執。病院から彼女に手紙を送り続け、誕生日には靴を送り続けていた。
リチャードはインディアの“本能”を目覚めさせないように、チャーリーとの接触を拒み続けていた。しかし、インディア18歳の誕生日にチャーリーの退院となり、病院に迎えに行く。インディアのいる家に帰れると喜ぶチャーリーだったが、リチャードからNYに行くように言い渡されてしまう。傷付いたチャーリーはリチャードを殺害し、交通事故を偽装するのだった−

孤独なチャーリーは家族を欲していた。そして、同類のインディアに固執していたんですね。
彼の殺人は、他を排除しインディアと2人だけの世界を作るためのもの。可哀想といえば可哀想…なんたってマシュー・グードのキラキラ笑顔が無敵すぎて同情してしまう…(笑)

インディアだけを思って突き進んできたチャーリーですが、そこは同類のインディア。母を殺そうとするチャーリーをあっさり殺し、NYに旅立ちます。

性に目覚めると同時に本当の自分にも目覚めたインディア。
冒頭のシーンとリンクするラストシーンは、まさに自然の中で解放感に浸るインディアがなんともセクシーでした。

まとめ

呪われた血筋という恐ろしいやら悲しいやらの物語ですが、とっても美しくてエロスも素晴らしい映画でした!
フィクションの世界に浸りたいときにはピッタリです。

あのチャーリーの笑顔に、また会いたくなってしまいそう…。

ちょっとした話

「イノセント・ガーデン」は、パク・チャヌク監督の「人間ではない存在の三部作」の一作だそう。
渇き」はヴァンパイアの物語、「サイボーグでも大丈夫」はラブコメとのこと。色んなジャンルの映画を作ってるんですね!

「渇き」も非現実的でエロスたっぷりのご様子。気になる!

映画『渇き』予告編

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