殺人犯が独白本を出版⁈「22年目の告白」感想&ネタバレ

ホームシアター欲しい!ということで、プロジェクターを買いました♪ふふふ♪
で、クリスマスにサスペンスを見るという選択(笑)

作品情報

22年目の告白 ―私が殺人犯です―

制作・公開:日本、2017年
監督:入江 悠(神奈川県、1979~)
脚本:平田 研也(奈良県、1972~)、 入江 悠
メモ:時効が成立した連続殺人事件の犯人を名乗る男が独白本を出版。男の正体は?その目的は?

あらすじ

1995年、男女4人が何者かに絞殺された。犯人は、被害者の大切な人ひとりを現場に置き、被害者が苦しみ息絶える様子を見せつけるという凄惨な手口をとっていた。捜査にあたっていた刑事の牧村は、おとり作戦の際に犯人の肩に銃弾を撃ち込むが、あと一歩のところで取り逃がしてしまう。そして、犯人は報復として、牧村が妹とその彼氏と共に暮らしていたアパートに罠を仕掛け、牧村の上司が犠牲になった。合計5人の犠牲者を出したにも関わらず、何の手掛かりも得られないまま時は過ぎ、2010年に公訴時効が成立してしまう。
さらに7年が過ぎた2017年。正体不明の曾根崎雅人という男が、22年前の連続殺人事件の犯人だという独白本を発表。曾根崎は積極的にメディアに顔をさらし一躍時の人となり、本はベストセラー。さらにはマスコミの前で被害者遺族に謝罪をしたり、牧村を挑発したり、サイン会を開催したりと、本を売るためには手段を選ばない。そして曾根崎は、ジャーナリストの仙堂が司会を務める報道番組に生出演することになり―

映画『22年目の告白 -私が殺人犯です-』本予告【HD】2017年6月10日(土)公開

登場人物

曾根崎 雅人(藤原 竜也)
1995年の連続殺人事件の犯人だと名乗り出た謎の男。芝居がかった方法で大々的に独白本を宣伝するため強い反発を招く一方、端麗な容姿とミステリアスな存在感で熱烈なファンも獲得し、日本中を混乱の渦に巻き込む。

牧村 航(伊藤 英明)
刑事。連続殺人事件の捜査班の一員で、おとり捜査で犯人ともみ合った際に肩を負傷させることに成功するが、逆に左頬に傷を付けられてしまう。1995年の事件当時は、阪神淡路大震災で被災した妹とその彼氏を東京に招いて共に生活していた。

岸 美晴(夏帆)
書店員。2件目の被害者男性の娘。父の殺害時は隣の部屋に閉じ込められており、目撃はしていないが一部始終を聞いていたのでトラウマになっている。職場の書店で曾根崎の本に囲まれているストレスから、思わぬ行動に出る。牧村とは事件以来の顔なじみである。

山縣 明寛(岩松 了)
病院院長。4件目の被害者女性の夫で、目の前で殺害を見せつけられた。

橘 大祐(岩城 滉一)
暴力団橘組の組長。3件目の被害者女性とは当時交際中であり、目の前で殺害を見せつけられた。

仙堂 俊雄(仲村 トオル)
報道番組の司会者。元フリージャーナリストで、かつては戦場取材をして本を出版していた。連続殺人事件当時は帰国直後で、被害者遺族と関係を築くなど独自に調査をしていた。犯人と名乗り出た曾根崎を生出演させ、揺さぶりをかける。

牧村 里香(石橋 杏奈)
牧村の妹。1995年当時は神戸で看護師をしていたが被災し、同棲していた恋人と共に兄を頼って上京してきた。震災で生き残ったことに罪悪感を抱いており、情緒不安定になることがある。牧村のアパートが爆破されたときから行方不明となっている。

小野寺 拓巳(野村 周平)
里香の恋人で、里香と一緒に上京した。行方不明になった里香を探し続けていたが見つからず、連続殺人事件の公訴時効が成立した日にビルの屋上から投身自殺する。

配役とフィクション感が見事にマッチ!かなりイイ線いってるサスペンス

サスペンスは大好きなんだけど、日本のサスペンスはどうもお金を払って見る気がしない。
やたらと警察がバカだったり、犯人がダサかったり、変にお涙頂戴だったり…と、見ていて冷める要素が多くて…。

本作は前にツタヤで見つけて、藤原竜也が珍しくハマってそうと思って気になっていました。藤原竜也ってどうしても目に付いてしまう(笑)クリスマスにごろごろしながら見るのもいいかなぁとハズレ覚悟で見てみたら、当たりでした!!

胡散臭さMAXの曾根崎に藤原竜也がピッタリすぎる

ここは予想どおりで、やっぱり藤原竜也が見事にハマってました!すごく胡散臭い!

冒頭、独白本発表の会見のシーン。
殺人の告白とは思えないド派手な演出で登場する曾根崎を見て、誰もが「こんな奴いないわ!」とツッコみたくなるでしょう。でも、それと同時に「コイツならやりかねないか…」と渋々納得してしまうような物凄いフィクション感が、藤原竜也にはある。
突如世に現れた連続殺人犯・曾根崎に人々が熱狂し、LINEスタンプが出たりサイン会が開催されたりするという異常事態も、おいおい…と苦笑してしまうようなフィクションっぽさ。曾根崎の告白した殺人自体も、ホテルのスイートルームに匿われ上等なスーツに身を包んだ曾根崎という存在もかなりフィクション的。その過剰ともいえるフィクションっぽさを違和感なく体現しているのが、藤原竜也なのです。普通の人の役をやっている彼に違和感を感じるのも無理はないですね(笑)


対照的に、刑事の牧村を演じる伊藤英明は、体の存在感こそハンパないけど見た目はかなり地味で、驚くほど抑え目な演技をしています。海猿のイメージしかなかったから、これには結構ビックリしました。
年齢設定が49歳というのはちょっと無理あると思うけど、信頼していた上司を失い時効を迎えてしまったという傷を背負った刑事にハマっていました。

曾根崎が登場する場面は徹底的に派手で、その他の場面はかなり地味め。この対比が、藤原竜也演じる曾根崎の異様さを浮かび上がらせていて、藤原竜也って最高だな!!とテンション上がりました(笑)

余計な説明がないからストーリーに集中できる

配役も秀逸だけど、構成も秀逸でした。

冒頭、1995年から2010年、そして2017年までの時の流れを一気に説明する映像が流れます。
本作のストーリーを示す映像に実際のニュース映像を織り交ぜた映像を見るだけで、現実とフィクションの狭間に引き込まれると共に、ストーリー上の重要事項(阪神淡路大震災、時効撤廃、殺害方法など)を知ることができます。この映像のおかげで、話が進行し始めてからの説明は最小限に抑えられる。そのおかげで、緊張感がゆるむことが避けられる。これは秀逸でした!


さらに、話の推進力が途切れないのもよかったですね!
「曾根崎って何者?」からどうやって展開するんだろう。さすがにこれだけでは2時間もたないよなぁ。でもあれ?ちょっとおかしくない?と種をまいておいて、途中で一気に回収し、次の展開につなげる。ダメなサスペンスによくある「その話ってどこから来たの?」というのは一切なく、すべての話がきちんとつながっています。だからこそ話全体がタイトで、弛緩する部分がないと言ってもいいくらい。

余計な説明がなく、すべての話に役割がある。そうそうコレコレ!と嬉しくなりました。

ツッコミどころはあるけれど…<ネタバレあり>

かなり練られていてタイトな作品ではあるものの、ツッコミどころがないわけではないです。
冒頭の異様なテンションには、乗れない人は乗れないと思います。第2幕からラストまでにも、現実的に考えればなかなか無理のある展開や説明不足に思える部分もあります。

個人的な欲をいえば、真犯人がもっと意表を突く人だったらな~と。よく練られているだけに、他に誰がいるのかと聞かれると困るんですが…。

仙堂は、曾根崎を生放送のゲストに招く。そこで、本には動機が説明されていないこと、そして牧村のアパートが爆破された事件の後に行方不明となっている牧村の妹・里香について何の言及もないことを指摘し、曾根崎を追及。さらに、“真犯人”を名乗る人物が、自らが真犯人であることを証明するためにある映像を動画サイトに投稿したと話す。その映像には、牧村のアパートが爆破される様子を涙を流しながら見ている、捕えられた里香の姿があった。これを機に、曾根崎は本当に犯人なのかどうか、里香はどこに消えたのかという論争が巻き起こる。
後日、真犯人を名乗る人物は、曾根崎と牧村が同席することを条件に仙堂の番組に出演することを受け入れる。生放送のスタジオに揃った曾根崎、牧村、仙堂、そして謎の男。男は、ネットに公開した映像の続きの映像を持ち込むが、その映像は放送NGとなり、スタジオの4人だけで確認することになる。その映像には、牧村宅の爆破直後に絞殺される里香の姿があった。妹が命を奪われる映像に涙を流す牧村。男に挑発された曾根崎は、仙堂の持っていた万年筆を奪って男に襲いかかり、スタジオは騒然となる。取り押さえられた曾根崎は、本を書いたのは自分ではないと告白。そして、本を書いたのは自分だと名乗り出たのは、牧村であった。

本当に曾根崎が犯人なのかどうかという疑惑が生じるのは、この手の話だったら当然の展開。で、ここまで来ると、犯人っぽい人は仙堂しかいなくなってしまう。というか、曾根崎を除けば仙堂以外に怪しい人がいないんですよね。
だからこそ「仙堂じゃなかったのか!!」という驚きが欲しかったんだけど、やっぱり真犯人は仙堂でした。仲村トオルの狂人演技が新鮮だったのは面白かったんで、まぁいいんですけど(笑)


牧村と曾根崎は詐欺罪で訴えられないの?とか気になる部分もありますが、そういう横道に逸れる部分は潔くぶった切ってあります。ストーリーの主軸だけでぎっしり実が詰まっているから、鑑賞中は気になりません。鑑賞後に気になるけど(笑)
初っ端からフィクション感全開で、善悪を説いたり問題提起するための作品というよりはエンターテイメントに徹している作品だし、主軸はしっかり筋が通っているので、細かいことは気にしなくていいのではと思います。

まとめ

配役がバッチリで、余計な説明やお涙頂戴もなく、実の詰まったエンターテイメント作品でした!
藤原竜也さんはぜひぜひ、これからもバリバリの狂人役をお願いいたします(笑)

ちょっとした話

この「22年目の告白」は、韓国映画「殺人の告白」(2012年)のリメイク作品です。
実際の未解決事件・華城連続殺人事件にインスパイアされた作品だそう。この事件、ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」のモチーフにもなってますね。

チョン・ビョンギル監督は、第70回カンヌ国際映画祭の公式招待作品として「悪女」が上映されるなど注目の監督。「殺人の告白」と「22年目の告白」を見比べるのも面白そう!

『殺人の告白』予告

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