麻薬カルテルとの闘いの裏には…「ボーダーライン」感想&ネタバレ

現在続編が上映中。とっても気になる!ということで、まずは1作目をGoogle Playで100円レンタルしてみました。

作品情報

ボーダーライン(原題:Sicarino)

製作・公開:米国、2015
監督:Denis Villeneuve(カナダ、1967~)
メモ:メキシコの麻薬カルテル掃討作戦の闇をのぞき込む、超スリリングな一作。

あらすじ

FBI捜査官のケイトは、アリゾナ州チャンドラーで誘拐事件の容疑者宅への奇襲捜査に参加していた。すると、家中の壁の中に40体を超える死体を見つけるという異常事態が発覚。さらに、裏庭の物置に仕掛けられた爆弾により、捜査官2名が犠牲となる。ケイトは上司の推薦により、国防総省のマット率いる特別チームに加わり、誘拐事件の主犯とされる麻薬カルテルの親玉マニュエル・ディアスの捜査に参加することを決める。
エルパソに移動したケイトは、そこでマットのパートナーで所属不明のコロンビア人、アレハンドロと合流する。ケイトは詳しいことを聞かされないまま、マットとアレハンドロと共にデルタフォースと合流し、メキシコのシウダー・フアレス市に向かう。作戦は、カルテルの幹部でディアスの兄弟であるギレルモ(Edgar Arreola)を地元警察から引き取ってアメリカに連れて帰り、麻薬の流入経路を聞き出すというものだった。いつカルテルのメンバーに襲撃されるか分からない緊張感の中、事態を飲み込めず困惑するケイト。そしてギレルモを連れたチーム一行が国境に差しかかったとき、遂にカルテルの一味がチームに接近し、一触即発の事態に陥る。

映画『ボーダーライン』本予告

登場人物

ケイト・メイサー(Emily Blunt;エミリー・ブラント)
FBI捜査官。非常に優秀で上司からの信頼も厚く、経験も豊富なことから、麻薬カルテル掃討作戦のメンバーに抜擢される。仲間の命を奪った凶悪な組織のボスを逮捕できるとあって意気込んでいたが、作戦について詳しく教えてもらえないことやマットらの違法捜査に憤りを隠せず、極度の緊張も相まって疲弊していくが、執念とプライドをもって作戦遂行に尽力する。

アレハンドロ・ギリック(Benicio del Toro;ベニチオ・デル・トロ)
マットの相棒としてチームに参加しているコロンビア人。終始無口で、何を考えているかよく分からない。ギレルモや汚職警官から情報を聞き出すときは拷問も辞さず、非常に冷淡である。今回の作戦に参加しているのは、妻と娘を惨殺した人間に復讐するためであることが明かされる。

マット・グレイヴァー(Josh Brolin;ジョシュ・ブローリン)
当初は国防総省の顧問と名乗っていたが、実際はCIAエージェントであり、国内で活動するためにFBI捜査官であるケイトを利用している。会議ではビーチサンダル姿で冗談を言ったり、危険な作戦の遂行を楽しんだりするような、異端の人物である。

レジー・ウェイン(ダニエル・カルーヤ)
ケイトの相棒のFBI捜査官。元軍人で法律の専門家の肩書も持つ優秀な人材である。FBIでの経験が浅いことを理由に特別チームには呼ばれなかったが、後にケイトの相棒として作戦に参加する。ケイトの私生活にも気を配る優しい人物。

マニュエル・ディアス(Bernardo Saracino;ベルナルド・サラシーノ)
麻薬カルテルのボスで、アメリカでの活動を取り仕切っている。ケイトが捜査していた誘拐事件の主犯とされ、アジトからは誘拐事件の被害者と思われる大量の死体が発見された。

ファウスト・アラルコン(フリオ・セサール・セディージョ)
ディアスのボスである麻薬王。マットやアレハンドロ曰く、彼の命令で毎日何組もの家族が殺害されているという。

クールで独特なカメラワーク&アレハンドロの不気味さがサイコー!

いやはや、めちゃくちゃクールで恐い映画でした!こんなに終始不安な気持ちだったのは初めてかも…というレベル。

独特のカメラワークが暴力の恐怖を演出!

とにかく麻薬カルテル怖いよ!!!というのを存分に演出するのが、独特のカメラワーク。

撮影はロジャー・ディーキンスというお方で、1980年代から活躍し続けているそう。この前見たRevolutionary Roadもディーキンスだし、Skyfallもディーキンス。わたしがうわわーと感情を動かされた作品ばっかり。なんということでしょう!
今まで撮影スタッフにはあまり注目してこなかったけど、やっぱり大事なんですねえ。

特に恐ろしかったのが、フアレスでの車移動のシーン。

まず、アウトレイジを思い出させる、黒塗りのイカつい車がピッタリと連なって走る様子は壮観だったなー。一糸乱れぬ走行でスピードを上げるたびに、見てるこっちも「かなりヤバい地域に入ったんだな…」と緊張感が高まりまくり!

そして、一気にカオス感が増す街中での走行は、一転して車内からの映像に。吊り下げられた死体を、ケイトと一緒に車中から目撃。車の中からだと視野が極端に狭いし死角が多すぎて、いつ襲撃されるんだよー!とビクビクしまくっていました(笑)

日が落ちて真っ暗闇の中トンネルに奇襲を仕掛けるシーンは、暗視カメラとサーモカメラ、上空からの偵察映像という、今まで見たことのない映像でほんとにカッコよかった…。

一時的に肉眼映像がなくなるので、突然非現実的な世界に放り込まれる。肉眼映像が復活しても、そこは狭い隠しトンネルの中、そこかしこで銃声が響く。なんかもう、緊張感の中でフワフワしていて、とっても変な気分でした。

「主人公が事態を把握できてない!」という緊張感がすごい

ケイトは掃討作戦の詳細をあまり教えてもらえなくて、終始イライラしていて不安な状態。ということで、わたしも終始不安。何考えてるか分からない冷淡なおじさん2人がイヤすぎて、ラストのケイトの涙には完全に同情でした。信じていたものが崩されて、自分の手には負えないものを突き付けられるって、心底ショックだろうなぁ。

一方で、マットとアレハンドロの計画も、単に悪いとは言えない。麻薬産業はもはや全滅させることが不可能なくらいに大きくなっているわけで、せめてそれをコントロールできるようにしようというのは、至極大人の選択だと思う。問題は、悪をコントロールする存在は正義ではない、ということ…。

ケイトはこのおっさん2人の手で正義の世界から引きずり出され、正義も悪も超越した「狼たちの世界」を見せつけられてしまった、というわけですね。

まーほんとに「大人(狼)って怖い!」と震えてしまいそうな映画でした!そして、「狼たちの世界をもっとのぞきたい!」という怖いもの見たさをそそる超クールな雰囲気、サイコーです(笑)

第2弾のソルジャーズ・デイ、早速見に行きます!

ちょっとした話

本作は、受賞にこそ至らなかったものの、様々な映画賞にノミネートされました!

  • 第88回アカデミー賞作曲賞(ヨハン・ヨハンソン)
  •     〃    音響編集賞(アラン・ロバート・マレー)
  •     〃    撮影賞(ロジャー・ディーキンス)
  • 英国アカデミー賞助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)
  •    〃    撮影賞(ロジャー・ディーキンス)
  •    〃    作曲賞(ヨハン・ヨハンソン)

作曲賞にノミネートされたヨハン・ヨハンソンは、2014年の「博士と彼女のセオリー」(原題:The Theory of Everything)で第72回ゴールデングローブ賞作曲賞を受賞されたそう。残念ながら2018年2月に亡くなられたそうで…。

本作のテーマ曲は、いやーな重低音が耳に残る、不気味で恐ろしい雰囲気にピッタリの曲でした。「博士と彼女のセオリー」のテーマ曲は、ジャンルからして全然ちがう雰囲気になっていそう。今後は監督以外にも注目していきたいと思います!

映画『博士と彼女のセオリー』予告編

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