異常殺人者たちの素顔に迫る!『FBI心理分析官』レビュー

ふらっとジュンク堂書店に立ち寄ったら、この本が平積みされてた。

Criminal Minds見まくったりハンニバルシリーズのファンだったりすると、FBIの行動分析科には馴染みがあるんですよねぇ。実際には1ミリも関係ないんだけど(笑)

有名なテッド・バンディチャールズ・マンソンエドモンド・ケンパーなどの分析を担当し、FBI行動分析課の礎を築いた人物の手記ということで、さっそく読んでみた。
めちゃくちゃ興味深い内容でした!

著者概要

Robert K. Ressler(ロバート・K・レスラー)

1937年米国イリノイ州シカゴ生まれ。ミシガン州立大学で犯罪学を学び、同大学院で警察管理運営学の修士号を取得。陸軍でのキャリアを経て、’74年にFBI行動科学課の主任プロファイラーとなる。その活躍ぶりは、トマス・ハリス『レッド・ドラゴン』、『羊たちの沈黙』、『ハンニバル』、コーンウェル「検死官シリーズ」など、さまざまな小説や映画の題材となった。FBI引退後は、ヴァージニア州に司法行動学研究所(Forensic Behavioral Services)を設立するなどして、国内外の難事件の捜査に協力した。2013年にパーキンソン病で死去。

Tom Shachtman(トム・シャットマン)

1942年米国ニューヨーク生まれ。作家、ジャーナリスト、映画製作者、教育者。
ドキュメンタリー番組“Absolute Zero”で、2009年度の米国物理協会(AIP) Science Communication Awardの放送部門賞を受賞した。

作品概要

FBI心理分析官 異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記
(原題:Whoever Fights Monsters: My Twenty Years Tracking Serial Killers for the FBI)

発行:ハヤカワノンフィクション文庫、2000年
   (1994年に早川書房より発行された単行本の文庫化)
ジャンル:ノンフィクション
メモ:犯罪史に名を遺す最凶殺人犯たちと対峙したプロファイリング第一人者による、ド迫力の実体験+プロファイリング入門書!

1 吸血殺人鬼
2 怪物と闘う者
3 殺人犯との面接
4 暴力に彩られた子供時代
5 新聞配達少年の死
6 秩序型と無秩序型の犯罪
7 プロファイリングとは何か
8 偽装―ごまかしのパターン
9 殺人は繰り返されるか?
10 二人のショー
11 プロファイリングの未来

Criminal Mindsファンなら必ず読むべき盛りだくさんの一冊!

1946年、ある殺人鬼はシカゴで複数の女性を殺害しながら、「また誰かを殺さないうちに捕まえてくれ」とのメッセージを残した。まだ9歳だったロバート少年はいたく興味を引かれ、友達と3人で探偵の真似事をして犯人を捜した。
のちに逮捕されたのは、17歳のシカゴ大学生ウィリアム・ハイレンズ。自分とあまり変わらない年齢の少年が3名の命を奪い、残忍な方法で始末したことに、ロバート少年はショックを受けた。この事件が、彼をプロファイラーへの道へ導くきっかけになったという。

この本は、 FBIの行動科学課の初期メンバーであるロバート・K・レスラー氏の自伝であり、犯罪史に残る重大殺人事件の記録であり、プロファイリングの基礎の基礎を教えてくれる本でもあります。
多くの映画や小説の題材となっている「連続殺人犯(シリアルキラー)」「プロファイリング」といった言葉は、彼らが作り出したんだそう。この様子は、Criminal Mindsシーズン10第13話「ギデオンの遺言」でも、若かりし頃のギデオン&ロッシの会話で再現されてます!

とにかく盛りだくさんの内容で、犯罪心理学に興味のある人には必読書といえるレベル。
なんとなく知っていた「秩序型・無秩序型」の区別もハッキリするんで、サイコキラーが登場する映画や小説の理解も深まりそうです。

分析のために凶悪殺人犯との面接を始めたのは、レスラーなんだよね?

そうそう。第3章「殺人犯との面接」の冒頭では、エド・ケンパーとの面接の様子が描かれています。
レスラーたちの調査対象は普通じゃない殺人鬼たち(普通の犯罪者がいるのかは謎だけど)。100人以上と面接したっていうんだから、並みの苦労とストレスではなかっただろうなぁ…と脱帽です。

この本を読んで「なるほど」と声が出たのは、何が彼らを連続殺人に向かわせたのかという点。
育った環境が劣悪だったという話はよく聞くけど、苦しい思いをして育っても普通に生活している人はたくさんいる。普通の人たちと彼らを分けるものは何なのか、というのがずっと疑問だったんですよね。

彼らをシリアルキラーにした要因とは、一体なに⁈

それは、「強固な妄想」だとのことです。
子どもの頃から抱き続けている暴力的な妄想。普通なら成長するうちにどこかの時点で消える妄想。彼らはその妄想を捨てることができず、ずーっとずーっと繰り返して強固なものにしてしまう。そしてそれを実現したいという思いが噴出して、犯行に至る。

たしかにCriminal Mindsを見ていると、「妄想」というワードが頻繁に出てきます。
犯人の行動パターンを探るうえで、実現したい妄想は何かという観点は、ものすっごく重要なんですね!

テッド・バンディやジェフリー・ダーマ―、チャールズ・マンソンなど、映画や小説の殺人鬼のモデルになることの多い凶悪殺人鬼。実際に彼らと対峙し、分析を重ねてきたレスラーたちには、本当に頭が下がります…。

そして読み終わったあとに大きなモヤモヤを生むのは、「妄想は治せるのか?」という疑問が湧くから。
もしかしたら薬である程度抑制できるのかもしれないけど、薬をやめてしまったらどうなるんだろう。薬を飲むかどうかは本人にかかっているわけだし…。治せないとなると、彼らは危険な妄想爆弾を抱えながら社会に紛れるわけで…。

まとめ

人間の闇は深いなぁと改めて実感する一冊。
著者曰く、映画「アメリカン・サイコ」は描写がめちゃくちゃらしいので、観て確認しようかな。

孤立しやすい社会って、妄想を育て続ける温床になりそうだね。

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