宇多丸ラジオで自己低発⁈『低み』レビュー

宇多丸さんのラジオのアーカイブを聞きまくっているせいか、こんな本がオススメに出現。

自己低発? 三浦大知? 低み?
と猛烈に興味を引かれたんで、さっそく読んでみました。

著者概要

編集:TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」&「アフター6ジャンクション」

宇多丸(うたまる)
1969年東京都生まれ。ヒップホップグループRHYMESTERのMC担当。日本ヒップホップ黎明期よりシーンを牽引し、いまだに第一線で活躍を続けている。映画評やアイドル評もこなし、またラジオDJとして「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(通称タマフル、2007年4月~2018年3月)と「アフター6ジャンクション」(通称アトロク、2018年4月~)のパーソナリティも務める。
2009年、第46回ギャラクシー賞DJパーソナリティ部門を受賞。

古川 耕(ふるかわ こう)
1973年神奈川県生まれ。ライターとしてヒップホップ専門誌やアニメ、コミック関連の書籍、文房具関係の記事を多数執筆。2007年より宇多丸から「オレの高田文夫になってくれ」とのオファーを受け、ラジオの放送作家の道に。現在は「アトロク」のメイン放送作家を担当している。

作品概要

ライムスター宇多丸も唸った人生を変える最強の「自己低発」 低み

発行:イースト・プレス、2018年
ジャンル:ラジオ関連本
メモ:タマフルの人気コーナーを書籍化。リスナーからの奇想天外な「低み」告白に度肝を抜かれること間違いなし!

SECTION01 [マインド・ロウネス]MIND LOWNESS
SECTION02 [フード・ティップス]FOOD TIPS
SECTION03 [エコロジー・ハック]ECOLOGY HACK
SECTION04 [リアルライフ・マネジメント]REAL LIFE MANAGEMENT

他者を受け入れ自分を信じる―低みから哲学的な問いが生まれる

この本は、宇多丸さんがパーソナリティを務めたTBSラジオ番組「タマフル」で2017年から約1年にわたって放送されていたコーナーへの投稿から、66作品(?)を選んでまとめたもの。

この番組は「ちょっとひねった音楽情報番組」というコンセプトだったそう。しかし宇多丸さんが博識であるせいか、「週間映画時評ムービーウォッチメン」や「サタデーナイトLabo」など、音楽以外のカルチャーに関してもめちゃ面白いコーナーを生み出しました。

わたしはムービーウォッチメンから入ってアトロクも聞いてるんだけど、宇多丸さんのラジオって知的好奇心をこれでもかとくすぐってくるんですよねぇ。
公式HPに放送の一部が音声ログとして公開されているので、YouTubeなんぞの違法アップロードに手を出さずとも済みます。親切!

アフター6ジャンクション|TBSラジオFM90.5+AM954~何かが始まる音がする~
首都圏No.1のラジオ局"TBSラジオ"で放送中の番組「アフター6ジャンクション」のサイト。TBSラジオは周波数。PCやスマートフォンでは"radiko(ラジコ)"でお聴きになれます。

カルチャー番組って意識高そうだけど、「低み」ってどういうこと?

たしかに、高校時代からクラブに行っていた日本語ラップの先駆者がカルチャーについて語るというと、すごくオシャレというかスカした印象を受けるかもしれません。

が、大丈夫です。オタク臭がプンプンするラジオ番組になっております。意識高い系の虚像作りを助長するような番組では決してないです。
如何せん、パーソナリティの宇多丸さんはカッコいいことも間違いないけど、奇人であることも間違いありません。

てな感じでこの本も、そんなトガったラジオ番組のリスナーの投稿から選りすぐったトガり投稿をまとめているので、凄いことになっています。

ここで「低み」とはどんなものなのか。古川氏がまえがきでこう説明しています。

それに対して、本書が提案する「低み」な人たちはどうでしょう?(中略)
衛生観念や常識をいとも簡単に飛び越え、当人だけの最適解に真っすぐに突き進む姿には自意識のかけらも感じられず、ある種の痛快ささえあります。彼や彼女はただの低きに流れた水ではなく、低きに向かって淀みなく辿り着いた純度の高い精製水なのです。

本書まえがきより引用

周りからはドン引きされるような行為であっても、「誰にも迷惑かけてないし違法行為じゃないし個人の自由じゃん」という類の行為を堂々と普通のこととしてする境地、とでも言いましょうか。他人からすると「うん、まぁ、いいんだけどさ…」としか言いようのない感じ。
他人であれ自分であれ、何かしら思い当たることがあると思います。

例えば、SECTION01のエピソード01・02・03で連続して紹介されるT君。
大学時代は1足の安いスリッポンを履き続け、壊れたらガムテープで補修し続け、もはやガムテープの塊を履いている状態に至っていたそう。もちろんこの靴の話はジャブです。

SECTION02の22「トイレシートの上にはイデアがある」では、トイレシートのまさかの活用法が披露されています。
SECTION02って、フード・ティップスですからね。嫌な予感しかしない…。

世の中には想像を絶する「低み」がたくさんあるんだね…

いやほんとに…この本を読んでいる間は「汚いなもう!」「信じられない!」「そこまでする⁈」「どうやって育ったんだ!」というツッコミが止まらない。
そして今まであまり知らなかったんだけど、イラストレーターのしまおまほさんのズボラ加減にも言葉を失いました。こういう女性、結構いるのかな…?

他人の習慣を「変だ」とか「これはあり」とか言ってるだけなら、この本の面白さはそこまででもない。
何が面白いかというと、この一見極端な「低み」に触れている間に自分の価値観が揺らぎ始めるんですよね。

これってもしかして世の中では許容されているのか? だとしたらわたしの許容範囲は比較的狭いんじゃないのか? もっと大らかになっても平気なんじゃないのか?
というより、誰にも迷惑がかからない自分だけに関することなのに、社会の価値基準を気にするのは無駄なことなのではないか?
アドラー哲学の衝撃を受けてから数年経った今でさえ、わたしはまだ他人の評価軸を気にしている…まだまだ甘い! 低みの人たちはまさに達観しているのだ!

てな感じで、なぜか尊敬の念まで湧いてきました。
いやでもこの本に載っているティップスやハックを試してみる気にはならないけどね…そこは自分の価値基準を信じます。

まとめ

宇多丸さん始め番組側の人々のコメントも千差万別なのが面白い。
人間ってほんと多種多様。大らかさの大事さが身に染みた一冊でした。

みんなちがって、みんないい by 金子みすゞ

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