比嘉姉妹や野崎の過去エピソード集「などらきの首」レビュー

小説『ぼぎわんが、来る』が映画化され、すっかり人気作家となった澤村伊智さん。
『ぼぎわん~』でも続編『ずうのめ人形』でも超強力な“魔”と対峙した比嘉姉妹。本作は、彼女たちが小さめの魔を相手にしている短編集です。

作者概要

澤村 伊智(さわむら いち)

1979年大阪府生まれ。東京都在住。
幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂の作品を敬愛する。2015年『ぼぎわんが、来る』(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉を受賞。’17年『ずうのめ人形』で山本周五郎賞候補。新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

作品概要

などらきの首

発行:角川ホラー文庫、2018年
ジャンル:小説
メモ:最強霊媒師姉妹・比嘉琴子、美晴、真琴の3姉妹や野崎の過去エピソードを収録した短編集。

1.ゴカイノカイ(文芸カドカワ、2018年9月号)
2.学校は死の匂い(小説 野生時代、2018年8月号)
3.居酒屋脳髄談義(幽 vol.26)
4.悲鳴(文芸カドカワ、2018年3月号)
5.ファインダーの向こうに(『ずうのめ人形』電子書籍特典)
6.などらきの首(書下ろし)

比嘉姉妹の人気にあやかっただけの、中身のうす~い短編集。

この短編集は、『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』を読んでいない人にとっては本当に、ただの出来の悪い“怖い話”の寄せ集めに過ぎないでしょう。

前2作を読んだ人にとっても、比嘉姉妹や野崎が出てくるというだけで、これまでのようなワクワクするようなホラーには仕上がっていません。
というのも、首が云々とか言霊がどうとか、発想に新しいものを感じないんですよね。

短編は難しかったのかな?

うーん、たしかに、怖くしたいのか作者の問題意識を伝えたいのか、どっちつかずで中途半端な印象だった。

1話目の「ゴカイノカイ」は、ウェットな登場人物が3人も出てきてそれぞれに少しずつストーリーを語らせているから、結果的に3人とも超薄味になってしまっている。 権藤の不気味エピソードとラストのヌルさのバランスも悪い。
長編でじっくり語ればまだマシだったかもしれないけど、短編のスピード感では完全に消化不良。「1話目でこれか…」とめちゃくちゃテンション下がりました。

悲鳴」は、ずうのめを読んでない人にとっては本気で「何この話…ズーン…」ってレベルだと思います。

人気作家になったから出版社のジャッジが甘くなっているのか何なのか知らないけど、正直「これでお金取るわけ?」と思ってしまいました。
比嘉姉妹ファンの素人作家さんのほうが、気合い入れて面白い作品書けるのでは…

良いところは1つもないの…?

残念ながら、すごく面白い!と感じた話は1つもないです…。

が、「ファインダーの向こうに」と「などらきの首」はそれなりに話がまとまっていて、読み物としてはまぁまぁ(全然怖くないしワクワクもしないけど) 。
この2話には野崎が登場するので、野崎ファンの人には嬉しいストーリーなのではないでしょうか。

学校は死の匂い」は比嘉美晴が主役だし、「居酒屋脳髄談義」では琴子の強さを味わえます。
前2作を読んだ且つ比嘉姉妹の大ファン!比嘉姉妹が出ていれば何でもよし!という人には、それなりに面白い短編集かもしれません。

まとめ

短編はイマイチ向いてなさそうなので、長編に集中してほしいと思いました(笑)
長編3作目ではぜひ、ぼぎわんのようなフレッシュな恐怖をお願いします!

首と言霊は食傷気味だから、別のネタでお願いね~

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