有栖川有栖「鍵の掛かった男」感想&ネタバレ

初めての有栖川有栖でございます~。
1年前に買ったんだけど、読むのを忘れていました。電子書籍だと物理的に積まれることがないから、買ったまま忘れてる本が結構あるなぁ…。

作者情報

有栖川 有栖(ありすがわ ありす、1959/4/26~)

大阪生れ。同志社大学卒。書店勤務を経て、1989(平成元)年『月光ゲーム』でデビュー。作風から「日本のエラリー・クイーン」と呼ばれ、ロジカルな謎解きには定評がある。著書に『双頭の悪魔』『幽霊刑事』『マレー鉄道の謎』『迷宮逍遥』『赤い鳥は館に帰る』『絶叫城殺人事件』『作家小説』『女王国の城』など。
臨床犯罪学者・火村英生と相棒のミステリ作家・有栖川有栖が活躍する「作家アリス」シリーズはドラマ化もされている。

<受賞・ランクイン>
・双頭の悪魔( 創元推理文庫、1992):週刊文春ミステリーベスト10第4位、このミステリーがすごい!第6位
・乱鴉の島 (新潮社、2006): 週刊文春ミステリーベスト10第5位、 本格ミステリ・ベスト10第1位
・女王国の城(創元推理文庫、2007): 週刊文春ミステリーベスト10第1位、このミステリーがすごい!第3位、本格ミステリ・ベスト10第1位
・鍵の掛かった男(幻冬舎文庫、2015): 週刊文春ミステリーベスト10第5位、このミステリーがすごい!第8位、本格ミステリ・ベスト10第7位
・狩人の悪夢(KADOKAWA、2017): 週刊文春ミステリーベスト10第4位、このミステリーがすごい!2018年版第6位、本格ミステリ・ベスト10第2位

作品情報

鍵の掛かった男

発行:幻冬舎文庫、2015年
ジャンル:小説
メモ:火村英生シリーズ13年ぶりの書下ろし。ひとりの男の人生に掛けられた何重もの鍵を、有栖川と火村が解き放つ!

大阪・中之島の小さなホテル「銀星ホテル」で梨田稔(69)が死んだ。梨田は約5年間ホテルのスイートに住み続け、ホテルの支配人や従業員、常連客と親しくしていた。警察は自殺による縊死と断定したが、彼と親しくていた人々は納得できずにいる。そのうちのひとり、同ホテルを定宿にしている女流作家・影浦浪子は、ミステリ作家の有栖川有栖とその友人の犯罪社会学者・火村英生にその死の謎の解明を依頼。すぐには調査に入れない火村に先立って、有栖川はひとりで調査を開始する。しかし、自殺か他殺かを断定するためのヒントはおろか、梨田がどのような人生を送ってきたのかも謎に包まれており、調査は難航。2億円以上の預金を残してこの世を去ったこの男の正体は?そして、その死は自殺なのか他殺なのか?

ひとりの男の人生に隠された謎を解き明かす、濃厚な人間ドラマ

「鍵を使った密室トリックの話かな」と勝手に予想して読み始めたんですが、全然ちがいました。

火村英生のドラマはHuluで見たんだけど、結構ちゃちい雰囲気だったんで、小説も微妙かなぁとちょっと不安だったんですよね。
ホームズ&ワトソンの構図なのは良いとしても、「人を殺したいという願望を持ったことがある犯罪心理学者」って狙いすぎててダサくね?と思うし、ドラマもダサいせいで中二病のニオイがぷんぷん。

で小説はどうだったかというと…めちゃくちゃ濃厚な人間ドラマじゃん!ということで、じっくり楽しませていただきました。

自殺か他殺か?から始まる、人生の謎を探る旅(ネタバレあり)

影浦の依頼は、「自殺の兆候はなかったし幸せそうだったから、自殺するはずない。他殺の可能性があるから調査してほしい(というか他殺の証拠を見つけてほしい)」というもの。

わたしは「他殺の証拠がちゃちゃっと見つかって、犯人探しに時間を割くんだろう。犯人は鍵を使ってトリックを作ったにちがいない」と勝手に決めつけていたんですが、これは大間違い。
自殺なのか他殺なのか、決定的な根拠が出てくるまでかなり時間がかかります。これが新鮮でした。

火村が調査に参加できるようになるとすぐに、他殺の線が濃厚であることを示す要素が見つかります。が、あくまで他殺の可能性が高いことを示すに過ぎず、断定はできません。警察が自殺と判断していることもあり、有栖川も火村もかなり慎重になります。
梨田の所有物は極端に少なく、そのせいで物的証拠も出てこない。必然的に、梨田という男はなぜこのホテルに住んでいたのか?なぜ莫大なお金を持っていたのか?を探るしかなくなる。

そして、火村&有栖川が他殺を確信する要因も、梨田の人生をひも解くことから見出される。

つまりこの話、ミステリ要素はすべて梨田の人生に詰め込まれています。トリックだとか物理的な謎解き要素はかなり少なく、おかげでじっくりゆっくり人間ドラマに集中することができました。
うーむ、ドラマとはちがって大人の小説だったなぁ。

殺人だと判明したので、もちろん犯人探しもあります。これは正直、かなり簡単です。登場人物の中で殺人を犯しそうな精神状態にある人、1人しかいないからなぁ。
梨田のミステリをたっぷり堪能した後なので、これはオマケって感じですかね。

まとめ

ホテルの宿泊客もそれぞれキャラがハッキリしているので、かなり満足度の高いドラマになっています。小さめの素敵なホテルという舞台設定も、ミステリ好きの大好きな要素ではないでしょうか。

今回は火村の出番が少ないから、火村シリーズの他の作品も読んでみようかな♪

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