綾辻行人の館シリーズ第4弾「人形館の殺人」感想

無事に有給消化に入ることができ、ゆったり過ごしていたら気力が回復してきました!
やっぱり、不愉快な環境にいるのはよくないですねぇ。

久々に綾辻行人作品を満喫です。

作者情報

綾辻行人(あやつじ ゆきと、1960/12/23~ )
十角館の殺人(1987)、時計館の殺人(1992)、暗黒館の殺人(2005)、Another(2010)など。

1979年、京都大学に入学、推理小説研究会に所属した。この研究会には、のちに作家となる我孫子武丸や法月綸太郎も所属している。
京都大学大学院教育学研究科に進学後、’87年には在学中に「十角館の殺人」で鮮烈デビュー。「新本格ミステリ」とよばれるジャンルの第一人者となった。’92年に「時計館の殺人」で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。
叙述トリックやどんでん返しが得意。ホラー小説「Another」は、アニメ化や実写化もされている。

作品情報

人形館の殺人

発行:2010年、講談社文庫
 ※初刊、1984年4月講談社ノベルス。本書は、1993年に刊行された講談社文庫版を全面改訂したもの。
ジャンル:小説
メモ:亡き父が遺した奇妙なマネキン人形、悪質な嫌がらせの連続…京都の屋敷で起こる事件の真相とは?

あらすじ

画家の飛龍想一は、育ての母である叔母・池尾沙和子とともに、芸術家であった実父・飛龍高洋が残した京都の屋敷「緑影荘」に引越してくる。その屋敷にはアパートとして貸出中の洋館が併設されており、管理人夫妻の他に3名の入居者が暮らしている。本宅とアパートには、腕や脚などそれぞれ体の一部が欠損したマネキン6体が、生前の高洋によって配置されていた。
近所では連続通り魔殺人事件が発生する中、想一は何者かによって嫌がらせを受けるようになる。偶然再会した幼馴染の架場久茂に相談するも、嫌がらせは悪化する一方。そして遂に、想一と沙和子の命に危険が迫り―

島田潔ファンはやきもきすること間違いなし⁈ 作者の遊び心たくさんの意欲作

久々の館シリーズ!ということで、島田潔の登場をとってもとってもとっても楽しみにしていました。そして、綾辻氏にしてやられました(笑)

想一の一人称で語られる、ホラー風味の陰湿な事件

物語は、基本的に想一の一人称「私」で語られます。

想一は、幼い頃に母を列車事故で亡くしています。そして、そのせいで父・高洋に捨てられたと感じている。
そういうバッググラウンドがあることもあって、想一はすごく繊細で弱々しい男性。遺産がたっぷり入ったので、働くこともなく、売る予定のない絵を描いて暮らしています。友達もおらず、育ての親である沙和子しかいない。

そんな暗い想一の話なので、この作品全体の雰囲気が超暗い。
京都特有のジメジメ感も加わり、すごく陰湿な雰囲気がムンムン!

また、これまでの館シリーズは、奇妙な館での奇妙な殺人事件なので、どことなく浮世離れした舞台設定でした。
一方、「人形館」こと 「緑影荘」 はただの屋敷で町中にあり、誰でもアクセスできる状態です。そんな中で、見知らぬ誰かが想一をジリジリと追い詰めていく…すごく気味が悪い!

閉鎖空間で「この中の誰が犯人?」と考えるのも緊張感があるけど、誰がやっているのか見当もつかない」というのも、効果的な対策ができないのですごく不安
そして、弱々しくて情緒不安定な人間の視点に立っているので、さらに不安が掻き立てられます。

現代のミステリの「定番」を生み出した綾辻行人の意欲作

この作品が刊行されたのが1984年だということを考えると、綾辻行人という作家の作品が現代ミステリに与えた影響は大きいなぁと感慨深いですね!

わたしの友人は「序盤で結末がわかってしまった」とガッカリしていたけど、それもそのはず。似たような展開は、この作品以降たくさん出ているからです。
情緒不安定な人間の一人称…となると、もはやタネ明かしは必要ないですね(笑)

難しい謎を解きたい!という欲求は満たせないかもしれませんが、読む価値は十分にあります。
世界観を味わうだけでも楽しめるし、作者が散りばめた遊びを見抜くのも楽しい。

そしてそして、島田潔ファンには特にうれしい(悲しい?)仕掛けがあります!
思わず「そんなぁ!」と声に出してしまうはず、楽しんでください♪

まとめ

これまでの館シリーズとはちょっとちがう、ホラー風味の作品でした。
ちょっとAnotherに近い雰囲気かな?

次回作がどうなるか楽しみ!

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