アレな映画の魅力満載!町山智浩「トラウマ映画館」感想

最近、RHYMESTER宇多丸さんのラジオの映画評論を聞きまくっている。

わたしなんかは映画を見ていて「この展開唐突すぎる」とか「このセリフ変だな」とか感じるけど、スクリプトやカメラワークのことは無勉強なので、あくまで感覚でしかない。宇多丸さんの評論は、構成についてはもちろん映画史の知識も織り交ぜられていて、面白い勉強になる!
わたしもレビューをするからには、少しは勉強しないとなぁと思い立った。

ということで、宇多丸さんのラジオにも度々登場する映画評論家・町山智浩さんの本!

作品概要

トラウマ映画館」(集英社文庫、2013)
※2011年に集英社より発行された単行本の文庫版。

人は誰しも特別な映画を心に抱えて生きている―。呪われた映画、闇に葬られた映画、一線を超えてしまった映画など、著者の心に爪あとを残した26本の作品を紹介。幼い頃に観たそれらの猟奇性やフェティシズムの源泉を紐解きながら、作品同士の繋がりや、のちの作品へ与えた影響を見出す。読んでから観るか、それとも観てから読むか。トラウマになること必至、映画好きのための一冊。

  1. バニー・レークは行方不明/Bunny Lake is Missing(1965、アメリカ)
  2. 傷だらけのアイドル/Privilege(1967、イギリス)
  3. 裸のジャングル/The Naked Prey(1966、アメリカ)
  4. 肉体の悪魔/The Devils(1971、イギリス)
  5. 尼僧ヨアンナ(1961、ポーランド)
  6. 不意打ち/Lady in a Cage(1964、アメリカ)
  7. 愛と憎しみの伝説/Mommie Dearest(1981、アメリカ)
  8. 悪い種子/The Bad Seed(1956、アメリカ)
  9. 恐怖の足跡/Carnival of Souls(1961、アメリカ)
  10. コンバット 恐怖の人間狩り/Shoot(1976、カナダ)
  11. 早春/Deep End(1970、イギリス・西ドイツ)
  12. 追想/Le Vieux Fusil(1975、フランス)
  13. 戦慄!昆虫パニック/Phase IV(1974、アメリカ)
  14. 去年の夏/Last Summer(1969、アメリカ)
  15. 不思議な世界/The Bed Sitting Room(1969、イギリス)
  16. マンディンゴ/Mandingo(1975、アメリカ)
  17. ロリ・マドンナ戦争/The Lolly Madonna War(1973、アメリカ)
  18. ある戦慄/The Incident(1967、アメリカ)
  19. わが青春のマリアンヌ/Marianne de Ma Jeunesse(1955、フランス・ドイツ)
  20. 妖精たちの森/The Nightcomers(1971、イギリス)
  21. かもめの城/Rapture(1965、フランス・アメリカ)
  22. かわいい毒草/Pretty Poison(1968、アメリカ)
  23. マドモアゼル/Mademoiselle(1966、イギリス・フランス)
  24. 質屋/The Pawnbroker(1964、アメリカ)
  25. 眼には眼を(1957、フランス・イタリア)
  26. 愛すれど心さびしく/The Heart is a Lonely Hunter(1968、アメリカ)

著者概要

町山智浩(東京都、1962.7.5~)
映画評論家、在米ジャーナリスト、コラムニスト。早稲田大学法学部卒業。宝島社で「宝島」「別冊宝島」などの編集を経て、洋泉社に出向、’97年に「映画秘宝」を創刊する。その後アメリカに移住。
<主な著書>
「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢」(2008、太田出版)、「新版 底抜け合衆国~アメリカが最もバカだった4年間」(2009、洋泉社)など。

ラジオで話を聞いていると、すんごい映画オタクの少年がそのまま大きくなりましたって感じ。宇多丸さんや映画評論家・高橋ヨシキさんと映画話に花を咲かせている様子は、超ハイテンションでとっても面白い(笑)
とにかく観ている映画の本数が半端ないらしく、少ない情報から何の映画か言い当てるのを得意としている(?)ほど!時代背景や映画同士のつながりまで教えてくれるので、映画を深く楽しみたい派にはありがたいっ。
ラジオ以外にも、動画や音声で映画解説を発信しているみたいですね!

聞いたこともない“アレ”な映画の価値と面白さがガッツリ伝わる、町山パワー炸裂の1冊

1本目の「バニー・レークは行方不明」から、何これ見たい!と思わされた。

主人公アンが娘バニーを連れてロンドンにやって来るが、保育園でバニーが失踪。さらに誰もが「バニーという女の子を見ていない」と言う。家に帰ると、バニーの持ち物は全て消えていた。果たしてバニー・レークは存在するのか?
という話。聞いたことあると思ったら、ジョディ・フォスター主演の「フライトプラン」(2005)が同じ設定だった。しかし、町山さん曰く、映画冒頭からバニーを一切映していない本作のほうが実存的不安を煽るという。
フライトプランよりもバニーレークを観たい!

解説の川本三郎さん(評論家、翻訳家)が言うように、町山さんは膨大な過去作品を参照し比較してくれるのがすごい。もちろん作品を観て知っているだけではなく、作品が生まれた経緯や時代背景、なぜ忘れ去られていったのかまで、丁寧に解説してくれる。それでいて散漫になっていない。どういう情報処理能力なんでしょう(笑)

町山さんが思春期のころに見てトラウマになった映画ということで、「たしかにそれはショックかもしれない…」と自分の思春期を重ね合わせてみるのも楽しい。

わたしのトラウマ映画といえば、「羊たちの沈黙」と「西太后」かな。ハンニバルとの出会いは、小学生の頃たしかお昼のテレ東で(攻めてるなぁ)。西太后は、兄がレンタルしてきたのを一緒に見て、拷問シーンがあまりにショックで逃げた記憶がある。それ以降トラウマレベルの映画ってあるかなぁ…と思い返してみたけど、冷たい熱帯魚とアウトレイジ(歯医者、中華料理屋、バッティングセンター)だけだった。意外に少ない。

トラウマになるということは、想定外の展開やシーンに出くわすということ。逆に言えば、予想できればトラウマにはなりようがない。最近は何でも調べられるから、予想の精度が上がっているし、自分の興味の範囲外の映画は弾いてしまっている気がする。そして、世界がフラットになるにつれてタブーが減り、過激な描写に制限がかかる。トラウマ映画との出会いはどんどん遠ざかる。

くー!!あの衝撃をもう一度味わいたい!!

最近はHuluで古い映画も出てるし、色んなジャンルの映画を見てみようかな。

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