
養老先生が新刊を出していたので早速読んでみた。
「自分探し」や「本当の自分」、「個性を伸ばす」といった言葉が昨今よく見られるように、現代人の意識の中心には「自分」がある。著者は、この「自分」というものを、「自分の中にある地図において現在位置を示す矢印に過ぎない」と捉えている。地図の中での位置が変われば、自分が周囲から受ける影響も変わり、つまり自分が変わる。
そういう意味では「自分」が変容していくのは当然であり、そうやって変わっていっても変わらない根幹の部分が「個性」であるという意見は、どの本を読んでも一貫していて気持ちが良い。
逆を言えば、現在位置が変わらなければ、自分もあまり変わりようがない。自分の位置を変えずにあーだこーだと不平不満を垂れるのは、何の問題解決にも繋がらない。自分の位置を変える、すなわち行動するということを、著者はいつも通り推奨している。この点では、ホリエモンやアドラーにも通じるものがある。
ダーウィンは、以下のような言葉を遺している。
It is not the strogenst of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
きっと昔から、有能な人たちは変化に対応してきたんだろうなぁと思った。
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